「ねこべやの社長は、どんな人ですか?」
採用面接や説明会で、ときどき聞かれる質問です。猫専門のホテルやサロンを運営し、猫トリマーを育てるアカデミーも始めた人が、普段どのように猫や仕事と向き合っているのか、気になる方もいるのだと思います。
これから働く場所や学ぶ環境を選ぶなら、会社の規模やカリキュラムだけでなく、運営する人の考え方も知っておきたいですよね。
今回は少し照れますが、私自身について書いてみます。この記事では、猫専門サロン2店舗、ホテルを含めて20店舗を運営する私が、ねこべやを始めた原点や現場で大切にしていること、日々の暮らし、ねこべやアカデミーに込めた思いを紹介します。
ねこべや社長の自宅は人間と動物が暮らす大家族

「社長」と聞くと、普段はどのような生活をしているのか、少し想像しにくいかもしれません。私の場合、仕事を離れて家に帰っても、多くの家族と動物たちに囲まれたにぎやかな毎日が続きます。
この暮らしは、私の人柄だけでなく、ねこべやのサービスを考えるうえでも大切な原点になっています。
ここでは、私の家庭での素顔について、次の2つに分けて紹介します。
- 猫5匹・犬3匹・子ども4人と暮らしている
- 多頭飼いの実体験がねこべやのサービスにつながっている
それぞれ順にお話しします。
猫5匹・犬3匹・子ども4人と暮らしている
私の家族構成は、猫5匹、犬3匹、子ども4人です。妻を入れると人間6人、動物8匹。合わせて14の家族が一つ屋根の下で暮らしています。
朝のわが家は、ごはんの順番待ちの列に割り込みが入り、犬と子どもが追いかけっこを始め、その騒ぎを猫たちが高い場所から眺めているような状態です。誰かが泣き、誰かが吠え、ときには誰かが毛玉を吐きます。
「猫のお世話が仕事だと大変ですね」と言われることがありますが、正直に言うと、会社よりも家のほうが多頭飼いの難易度は高いかもしれません。サロンの猫たちは、家とは違う「よそいきの顔」を見せることも多いからです。
猫専門のホテルやサロンを運営していますが、自宅もすでに小さな「ねこべや」のような状態です。
多頭飼いの実体験がねこべやのサービスにつながっている
猫や犬と一緒に暮らしているからこそ、飼い主さまが日々感じている悩みがよくわかります。家具の隙間にたまっていく抜け毛、なかなか切らせてもらえない爪、動物病院でもらう請求書の重みも、すべて私自身が経験していることです。
もちろん、大変なことだけではありません。性格の異なる猫や犬たちと暮らす楽しさや、多頭飼いだからこそ感じられる幸せも知っています。
ねこべやのサービスは、経営者として机の上だけで考えて生まれたものではありません。このにぎやかな家で、動物たちと暮らす中で感じてきた悩みや喜びが、サービスづくりの土台になっています。
ねこべやを1店舗から20店舗へ広げた原点

ねこべやを始めたのは、2015年頃です。最初は一つの店舗からのスタートでしたが、現在は猫専門サロンやホテルを含めて20店舗を運営しています。
ここでは、現在のねこべやに至るまでに大切にしてきた選択や考え方を、次の3つに分けて紹介します。
- 業界の常識と逆でも猫専門・無麻酔のグルーミングを選んだ
- 猫と飼い主さまの「やっと見つけた」が店舗の広がりにつながった
- 20店舗になっても現場の声を大切にしている
それぞれ順にお話しします。
業界の常識と逆でも猫専門・無麻酔のグルーミングを選んだ
ねこべやを始めた当時、猫専門のサロンは今ほど一般的ではありませんでした。「犬も扱わなければ経営は難しい」と言われることもあり、猫だけに絞る選択は、業界の常識とは逆に見えたと思います。
無麻酔でのグルーミングについても、「時間がかかる」「効率がよくない」と言われました。それでも私は、犬も受け入れて施術頭数を増やすのではなく、猫だけに向き合うサロンを選びました。
効率のよさよりも、猫の特徴や反応に合わせた環境と施術をつくることを優先したかったからです。周囲から難しいと言われても、猫専門・無麻酔という方針を変えずに続けてきました。
猫と飼い主さまの「やっと見つけた」が店舗の広がりにつながった
猫専門という方針を続ける中で、何軒ものサロンに断られたあと、ねこべやへたどり着く飼い主さまに出会ってきました。
その方たちからいただいた「やっと見つけた」という言葉は、今でも強く印象に残っています。猫を受け入れてくれる場所が見つからず、困っている方が想像以上に多いことを知ったからです。
現在はホテルを含めて20店舗を運営しています。ただ、20店舗という数は、最初から掲げていた目標ではありません。行き場が見つからず、何軒ものサロンに断られてきた猫と飼い主さまに応え続けてきた結果だと思っています。
20店舗になっても現場の声を大切にしている
店舗が増えた今も、私は現場から離れないことを大切にしています。受付で交わされる会話や施術中の様子には、数字だけを見ていてもわからないことがたくさんあるからです。
飼い主さまからいただく感謝の言葉はもちろん、クレームやご意見も経営を考えるうえで欠かせません。実際に店舗で起きていることを知ることで、見直すべき点や新しく必要なサービスが見えてきます。
社長室で売上や予約数だけを確認していても、目の前の猫が何を感じているのかまではわかりません。猫と飼い主さまにとって本当に必要な判断をするために、これからも現場の声を直接受け取りたいと考えています。
予約管理・シフト・カルテのシステムも社長が自ら開発

ねこべやには、猫専門のホテルやサロンとしては少し変わった特徴があります。予約管理やシフト管理、カルテなど、店舗運営に使うシステムの多くを、社長である私が自分でプログラムを書いて作っています。
「猫の会社なのに、なぜ社長がプログラムまで書くのか」と、意外に思われるかもしれません。
ここでは、私が自らシステムを開発する理由を、次の2つに分けて紹介します。
- スタッフの声をすぐに仕組みへ反映できる
- 人任せにせず自分の手で確かめることを大切にしている
それぞれ順にお話しします。
スタッフの声をすぐに仕組みへ反映できる
店舗で使うシステムは、実際に現場で働くスタッフが使いやすいものでなければ意味がありません。予約の取り方やカルテの入力方法など、細かな使いにくさは、日々使っているスタッフだからこそ気づけます。
自分でシステムを開発していれば、スタッフから「ここが不便」「こうなれば使いやすい」という声が上がったとき、内容を直接確認して改善できます。小さな修正であれば、翌週には反映できることもあります。
外部へ依頼する場合に必要な説明や打ち合わせを減らし、現場の声をすぐに形にできることは、自分たちでシステムをつくる大きなメリットです。
人任せにせず自分の手で確かめることを大切にしている
システムの開発は、家の動物たちと子どもたちが寝静まったあとの時間に進めることもあります。猫の仕事をしながら夜はプログラムを書くという、少し変わった生活です。
猫専門のサービスとシステム開発は、一見すると別の仕事に見えるかもしれません。しかし、私の中ではどちらも同じ考え方でつながっています。
自分たちが提供するサービスや使う仕組みだからこそ、人に任せきりにせず、中身を自分の目で見て、必要であれば手を動かして確かめたい。猫の施術環境を考えるときも、店舗のシステムをつくるときも、この姿勢を大切にしています。
ねこべや社長が「みんなのやりたがらないこと」を選ぶ理由

これまでを振り返ると、私は周囲から「難しい」「やりたくない」と言われることを、何度も選んできました。そう聞くと、かえって挑戦したくなる性分なのだと思います。
ただ、変わったことをしたいという理由だけで選んできたわけではありません。その先に、ねこべやとして取り組む意味があると考えているからです。
ここでは、私が「みんなのやりたがらないこと」を選ぶ理由と、その考えから始めた取り組みについて、次の2つに分けて紹介します。
- 誰もやらない分野に困っている猫と飼い主さまがいる
- 猫を安全に扱えるトリマーを増やすためにねこべやアカデミーを始めた
それぞれ順にお話しします。
誰もやらない分野に困っている猫と飼い主さまがいる
ねこべやは、猫専門です。トリマーの世界では「猫の施術は難しい」「できれば猫はやりたくない」という声も少なくありません。そんな中で、私はあえて猫だけを選びました。
一言でいえば、みんなが嫌がることを聞くと、かえって挑戦したくなる性分だからです。ただ、難しいことに挑戦したいだけではありません。
誰もやらないから、お願いできる場所が見つからず困っている猫と飼い主さまがいる。困っている人がいるところには、私たちが取り組むべき仕事がある。そう考えて、ねこべやでは猫専門のサービスを続けています。
猫を安全に扱えるトリマーを増やすためにねこべやアカデミーを始めた
店舗を増やすだけでは、猫の施術をお願いできる場所が限られているという課題を、十分に解決することはできません。猫を安全に扱えるトリマーそのものを増やす必要があると考え、ねこべやアカデミーを始めました。
アカデミーでは、ねこべやの現場で培ってきた猫専門の技術や、猫の反応・体調に合わせた安全判断を、これから猫トリマーを目指す方へ伝えています。
猫を扱える人が増えれば、受け入れてくれる場所が見つからず困る猫と飼い主さまを減らせます。ねこべやアカデミーは、現場で積み重ねてきた経験を、次の担い手へつないでいくための取り組みです。
まとめ|ねこべやのサービスは暮らしと現場の実感から生まれている

ねこべやのサービスや仕組みは、猫や犬たちとの暮らし、店舗で受け取る飼い主さまやスタッフの声から生まれています。
猫専門・無麻酔のグルーミング、社内システムの開発、ねこべやアカデミーは、すべて「困っている人がいるなら、自分たちにできることを形にする」という考えでつながっています。
家に帰れば14の家族に囲まれ、夜にはプログラムを書き、難しいと言われることにも挑戦する。少し変わった社長かもしれませんが、これからも現場を大切にしながら、猫と飼い主さまに必要とされる仕事を続けていきます。
サロンやアカデミーで見かけたときは、猫のことでも、開業のことでも、気軽に話しかけてください。多頭飼いの抜け毛対策についても、当事者としてお話しできます。
ねこべやアカデミーでは、現場で培ってきた猫専門の技術や安全判断を、これから猫トリマーを目指す方へ伝えています。興味を持っていただけた方は、ぜひ説明会へお越しください。
ブログでは伝えきれない現場の判断や、猫専門トリマーを目指す方に役立つ実践的な情報をねこべやアカデミー公式LINEで発信しています。
猫トリマーを目指している方や、猫専門サロンの開業を考えている方は、ぜひ登録してみてください。
